PC/104またはPC104とは、組み込みコンピュータの仕様である。
PC/104 コンソーシアムが管理していて、フォームファクタとバスの両方が定義されている。PC/104は、極端な環境下でも確実なデータ収集が可能である特殊な組み込みコンピュータ環境に向いている。このフォームファクタは民生品として市販されているので、「特別仕様の頑丈なシステム」が必要となった場合でも、数か月もかけて設計したり書類仕事をしたりしなくても済む。
現在、PC/AT互換機で主流であるPCIバスを採用した一般的なATXのフォームファクタとは違って、PC/104のフォームファクタにはバックプレーンが無い代わりに、積み木のようにモジュールをスタック(積み重ね)することができる。バスをスタックしたものは、典型的なPCよりも当然丈夫である。各モジュールの隅にある取り付け穴とスタンドオフで、ボード同士が固定されるからである。
フォームファクタに適合したボードの標準的なサイズは90.17×95.89mm(3.55×3.775インチ)で、高さはコネクタの境界でおおむね制限される。高さ領域の制限は、隣同士のモジュールが干渉しないことを保証するものである。多くのベンダーでは、これらの設計制約に従いモジュールのスタックを保証しているが、フォームファクタ要件を無視したモジュールも珍しくはない。
典型的なシステム(スタックとも呼ばれる)は、マザーボード、A/D変換器、汎用入出力モジュールなどから構築されていて、そのほか用途に合わせてGPS受信機や、無線LANコントローラや、USBコントローラが含まれることもある。